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さんしろう

三四郎

夏目 漱石

三四郎在火车上遇见一位肤色黝黑的女子,不由自主想起故乡的恋人。他假装睡着偷听她和邻座老人聊天,越听越放不下。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 169,765 字 · 343 页

青空文庫

「その金をなくなしたんだからすまない」と与次郎が言っている。じっさいすまないような顔つきでもある。どこへ落としたんだと聞くと、なに落としたんじゃない。馬券を何枚とか買って、みんななくなしてしまったのだと言う。三四郎もこれにはあきれ返った。あまり無分別の度を通り越しているので意見をする気にもならない。そのうえ本人が悄然としている。これをいつもの活発溌地と比べると与次郎なるものが二人いるとしか思われない。その対照が激しすぎる。だからおかしいのと気の毒なのとがいっしょになって三四郎を襲ってきた。三四郎は笑いだした。すると与次郎も笑いだした。

「まあいいや、どうかなるだろう」と言う。

「先生はまだ知らないのか」と聞くと、

「まだ知らない」

「野々宮さんは」

「むろん、まだ知らない」

「金はいつ受け取ったのか」

「金はこの月始まりだから、きょうでちょうど二週間ほどになる」

「馬券を買ったのは」

「受け取ったあくる日だ」

「それからきょうまでそのままにしておいたのか」

「いろいろ奔走したができないんだからしかたがない。やむをえなければ今月末までこのままにしておこう」

「今月末になればできる見込みでもあるのか」