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さんしろう

三四郎

夏目 漱石

三四郎在火车上遇见一位肤色黝黑的女子,不由自主想起故乡的恋人。他假装睡着偷听她和邻座老人聊天,越听越放不下。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 169,765 字 · 343 页

青空文庫

しかし熊本では見ることのできない意味で新しいので、むしろ一種異様の感がある。中はなおさらである。三四郎の目にはただ油絵と水彩画の区別が判然と映ずるくらいのものにすぎない。

それでも好悪はある。買ってもいいと思うのもある。しかし巧拙はまったくわからない。したがって鑑別力のないものと、初手からあきらめた三四郎は、いっこう口をあかない。

美禰子がこれはどうですかと言うと、そうですなという。これはおもしろいじゃありませんかと言うと、おもしろそうですなという。まるで張り合いがない。話のできないばかか、こっちを相手にしない偉い男か、どっちかにみえる。ばかとすればてらわないところに愛嬌がある。偉いとすれば、相手にならないところが憎らしい。

長い間外国を旅行して歩いた兄妹の絵がたくさんある。双方とも同じ姓で、しかも一つ所に並べてかけてある。美禰子はその一枚の前にとまった。

「ベニスでしょう」

これは三四郎にもわかった。なんだかベニスらしい。ゴンドラにでも乗ってみたい心持ちがする。三四郎は高等学校にいる時分ゴンドラという字を覚えた。それからこの字が好きになった。ゴンドラというと、女といっしょに乗らなければすまないような気がする。