轻松读懂日语经典作品
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さんしろう
三四郎
三四郎在火车上遇见一位肤色黝黑的女子,不由自主想起故乡的恋人。他假装睡着偷听她和邻座老人聊天,越听越放不下。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 169,765 字 · 343 页
だれか組打ちを始めたらしい。三四郎は必定喧嘩と思い込んだ。風呂敷包みをさげたまま、仕切りの唐紙を鋭どく一尺ばかりあけてきっとのぞきこんだ。広田先生が茶の袴をはいた大きな男に組み敷かれている。先生は俯伏しの顔をきわどく畳から上げて、三四郎を見たが、にやりと笑いながら、
「やあ、おいで」と言った。上の男はちょっと振り返ったままである。
「先生、失礼ですが、起きてごらんなさい」と言う。なんでも先生の手を逆に取って、肘の関節を表から、膝頭で押さえているらしい。先生は下から、とうてい起きられないむねを答えた。上の男は、それで、手を離して、膝を立てて、袴の襞を正しく、いずまいを直した。見ればりっぱな男である。先生もすぐ起き直った。
「なるほど」と言っている。
「あの流でいくと、むりに逆らったら、腕を折る恐れがあるから、危険です」
三四郎はこの問答で、はじめて、この両人の今何をしていたかを悟った。
「御病気だそうですが、もうよろしいんですか」
「ええ、もうよろしい」
三四郎は風呂敷包みを解いて、中にあるものを、二人の間に広げた。
「柿を買って来ました」
広田先生は書斎へ行って、ナイフを取って来る。