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さんしろう

三四郎

夏目 漱石

三四郎在火车上遇见一位肤色黝黑的女子,不由自主想起故乡的恋人。他假装睡着偷听她和邻座老人聊天,越听越放不下。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 169,765 字 · 343 页

青空文庫

ところがその女が林檎を持って停車場まで送りに行くと言いだしたんで、ぼくは弱ったね」

三四郎はますます驚いた。驚きながら聞いた。

「それで、どうした」

「どうしたか知らない。林檎を持って、停車場に待っていたんだろう」

「ひどい男だ。よく、そんな悪い事ができるね」

「悪い事で、かあいそうな事だとは知ってるけれども、しかたがない。はじめから次第次第に、そこまで運命に持っていかれるんだから。じつはとうのさきからぼくが医科の学生になっていたんだからなあ」

「なんで、そんなよけいな嘘をつくんだ」

「そりゃ、またそれぞれの事情のあることなのさ。それで、女が病気の時に、診断を頼まれて困ったこともある」

三四郎はおかしくなった。

「その時は舌を見て、胸をたたいて、いいかげんにごまかしたが、その次に病院へ行って、見てもらいたいがいいかと聞かれたには閉口した」

三四郎はとうとう笑いだした。与次郎は、

「そういうこともたくさんあるから、まあ安心するがよかろう」と言った。なんの事だかわからない。しかし愉快になった。

与次郎はその時はじめて、美禰子に関する不思議を説明した。与次郎の言うところによると、よし子にも結婚の話がある。