轻松读懂日语经典作品
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さんしろう
三四郎
三四郎在火车上遇见一位肤色黝黑的女子,不由自主想起故乡的恋人。他假装睡着偷听她和邻座老人聊天,越听越放不下。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 169,765 字 · 343 页
「何かできましたか」と棒のように聞いた。すると野々宮君は、
「なにたいしたことでもないのです」と言って、手に持った電報を、三四郎に見せてくれた。すぐ来てくれとある。
「どこかへおいでになるのですか」
「ええ、妹がこのあいだから病気をして、大学の病院にはいっているんですが、そいつがすぐ来てくれと言うんです」といっこう騒ぐ気色もない。三四郎のほうはかえって驚いた。野々宮君の妹と、妹の病気と、大学の病院をいっしょにまとめて、それに池の周囲で会った女を加えて、それを一どきにかき回して、驚いている。
「じゃ、よほどお悪いんですな」
「なにそうじゃないんでしょう。じつは母が看病に行ってるんですが、――もし病気のためなら、電車へ乗って駆けて来たほうが早いわけですからね。――なに妹のいたずらでしょう。ばかだから、よくこんなまねをします。ここへ越してからまだ一ぺんも行かないものだから、きょうの日曜には来ると思って待ってでもいたのでしょう、それで」と言って首を横に曲げて考えた。
「しかしおいでになったほうがいいでしょう。もし悪いといけません」
「さよう。四、五日行かないうちにそう急に変るわけもなさそうですが、まあ行ってみるか」