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さんねんたったきょう

三年たった今日

宮本 百合子

日本の文化のまもり

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,131 字 · 10 页

青空文庫

得る本質のものであり、その利害には道義をつきのけたつよい共通性が生きていることを日本の旧権力が実感した時期である。吉田首相が記者会見のとき、連合国の日本民主化方策について、はじめは危惧の念を抱かないでもなかったが、この頃は我々にも十分納得ゆくようになって欣びにたえない、と語ったことは現実的な深い内容を暗示した。ポツダム宣言、世界憲章の人類的な道義の道はそれとして虹の橋のように美しくむなしく空に架けておいて、日々の人民生活の現実は民主化の上塗りのかげに出来るだけ発言のよわい、依らしむべき民、原住民としてのこしておこうとする金権力の二重の欲望があることを、日本の人民はこの第二の時期に学んだのであった。

しかし、この第二の期間、民主的という言葉はまだその文字の正当な意味で扱われていた。民主化そうとする日本の人民の心と、その民主化を阻もうとする権力的な意志の表現とは、対立するものとして文字の上にもあらわれていた。

ところが一九四七年の春以来日本民主化の第三の段階に入ってから、とくに、一九四八年に入ってから、猛烈な戦争挑発と並行して、日本の内外で民主的という表現が、そろりそろりとさかだちした意味で使用されはじめた。