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さんどあったじゅんさ
三度会った巡査
森 律子
「週刊朝日 十月八日号」1950(昭和25)年10月8日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,215 字 · 5 页
お話もずつと古くなりますと、かえつて新しく聞かれるものとよく申しますが、これはわたしのうら若い大正二年の春、欧州劇壇視察の目的で渡欧致しました時のことでございます。
出立に当つては各方面からの御紹介状も沢山頂き、また彼の地では大使館、領事館のお世話になり、万事工合よく引回されて、何事もなく過したような顏をして、帰国後はすつかり取りすましておりました。しかし、実は性来粗忽者のわたくしが、しかも言語の通じない慣れない土地へ参つて無事なはずはなかつたのでございます。したがつて帰国早々には容易に発表の出来ない珍談も、幾多出来したのでありますが、法律にも時效というものがあるように、すでに四十年近くも経過致した今日となりましては、もはや公々然と自白致しても差支えないと存じまして、ここに「生兵法は大怪我の基」という一珍談を発表致します。或る日、ロンドンの郊外近くの某夫人のお宅で私のために催して下さつたお茶の会に参つた時のことでございます。
私のロンドン生活もはや半年近くにもなりまして、自分としてはいつぱし土地に慣れたつもりでいました。それでソウ/\タクシーばかりにたよるのも不経済でありますので、特にその日はバスで行こうと前々から道順もよくきいておいて、あたかも万事をのみ込んでいる土地ッ子のような顏をしながら、その日