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ふざいじぬし
不在地主
小林 多喜二
一~十一、十六「中央公論」1929(昭和4)年11月号、十二~十五(「戦い」の表題で。)「戦記」1929(昭和4)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 69,990 字 · 141 页
)次第に意識的、階級的立場に教育され、ビラ撒き其他の運動に積極的に「動員がきいてきた。」
争議団からは二名、「労農共同委員会」に委員が出ているが、更に「交渉」「訪問」「文書」「会計」の部門にも、これを編入し、組織的に、活動に従事させている。
健は、情報や個人個人から来る詳しい手紙や毎朝の新聞で、争議がどういう風に進んでいるか、大体の見当はついていた。――其処ではどんな恐ろしい事が毎日起っているとしても、(阿部からは、自分達は半分恐ろしさにハラハラしながら、一生懸命労働組合の人達に引きずられてやっている。あれ以来ゲッソリ痩せてしまった。――S村で考えていたようなものでない、と云ってきていた。)然し、健はそういう「訓練」を受けることの出来ない自分を残念に思った。
情報、七
争議勃発以前申立てた「小作調停」に対して、十五日旭川裁判所に、伴外一名の代表が呼び出され、出頭した。
(勝見小作官、判事、調停申立人伴外一名、地主岸野。)
判事――お前達は誠意をもって、おとなしく解決する気か、騒いで解決する気か。
伴――こっちは不誠意でも何んでもありません、地主が不誠意なのです。