轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ふざいじぬし
不在地主
小林 多喜二
一~十一、十六「中央公論」1929(昭和4)年11月号、十二~十五(「戦い」の表題で。)「戦記」1929(昭和4)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 69,990 字 · 141 页
前の日に磨いて立てかけて置いた銃や剣や背嚢の前に坐ると、独言を云いながら、ちょッぴりちょッぴりいじった。魚が餌でもつッつくように。
母親が起きてきた。――母親は吃驚して、いきなり、由三の耳をひねり上げた。
「これッ! 大切なものさ手ばつけて、おがしくでもしてみれッ!」
健は眼をさましたまま、寝床にいた。――前の夕方、健が納屋から薪を取り出していたとき、すぐ横で、井戸の水をザブザブさせながら足を洗っていた兵隊が話しているのを聞いた。
「ここの家ヒドイな……」
「うん、ま、御馳走はないな――」
「それでも……」
あと一寸聞えなかった。息をつまらせて笑っている。
「シャンだからな。」
「それに……な、色ッぽいところがあるぞ。」
「あれか、鄙にもまれなる……」
「……埋合せか。」
声を合わせて笑い出してしまった。
健は暗がりの納屋の中にいて、一人でカアーッと赤くなった。
健は昨日からのお恵の燥いだ、ソワソワした態度にムカムカしていた。
兵隊が起きると、由三は金盥に水をとってやったり、下駄を揃えてやったり、気をきかして先きへ先きへと走り廻った。お恵は日焼けのした首に水白粉を塗っていた。