轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ふざいじぬし
不在地主
小林 多喜二
一~十一、十六「中央公論」1929(昭和4)年11月号、十二~十五(「戦い」の表題で。)「戦記」1929(昭和4)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 69,990 字 · 141 页
塗ったあとが、そのままムラになって残っていた。
飯はお恵が坐って給仕した。すると、由三が口を突がらした。
「兵隊さんに女なんて駄目だねえ。――俺やるから、姉どけよ!」
兵隊は苦笑してしまった。
母親は又昨夜のように、御馳走のないことをクドクド繰りかえした。
昼過ぎから土砂降りになった。六時頃、兵隊は身体中を泥だらけにして帰ってきた。――ものも云えず、一寸つまずいただけで、そのまま他愛なくつんのめる程疲れ切っていた。――母親はそれを見ると、半分もう泣いていた。兵隊にとられるかも知れない健のことが直ぐ考えられた。
その晩は最後であり、それにゆっくり出来ると云うので、健は母親に云いつかって、裏で雌鶏を一羽つぶした。※からは、「兵隊さんに出すのだから」と云って、ようやく酒を一升借りて来た。
酔ってくると、兵隊は色々「兵営」の面白いことを話してきかせた。由三は「眠くねえわ、眠くねえわ。」と眼をこすりながら、何時迄も起きていた。
「坊、大きくなったら兵隊になるか。――ハハハハハハ。」
「僕も百姓ですよ。」と一人が云った。「僕の従弟が内地の連隊にいたとき、自分の村で小作争議が起り、それがドエライことになってしまった事があるんです。