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ふしぎなとり

不思議な鳥

小川 未明

「趣味」1910(明治43)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,797 字 · 16 页

青空文庫

四

あの悲しい木や、草に当る時、傷ましい音を立てるだろう。そうなったら雨が降るだろうか……雨というものは降らないかも知れない。

「この日蝕はいつまでつづくだろう……。」と私は気を揉み始めた。幾日もこの儘であったら、人は燈火を点しつづけて、いつか油も尽きてしまうだろうと思った。……このとき家の内では燈火を点けた。空ではやはり黒い鳥が啼きつづけていた。

「あの、鳥は何という鳥でしょうね。」

と、隣でいっている声がした。

「燕でしょうか?」と、誰かいう。

「燕にしては、啼声が違うや。」と、これは子供の声である。

「不思議な鳥が出たものだな。」と、老人の声がする。

「大変に暗くなりましたね。」と、女の声だ。

「厭な啼き声だこと。」

「あの黒い鳥。」

「幾羽居るだろう……。」

などという声がした。

*      *      *

空は漸々暗くなって来た。雪がまた降て来そうになった。私は銃を担いで家へ急いだ。

「あの黒い鳥を貰ってもいいだろうか。」……吉太が可哀そうだというような考えも起った。

その晩は何となく暗い思いがしたが、明る朝になって絵具皿を探し始めた。

四

「これか?」