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ふちんぐんかんのみほん
不沈軍艦の見本
海野 十三
――金博士シリーズ・10――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,749 字 · 24 页
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さても日本対米英開戦以来、わが金博士は従来にもまして、浮世をうるさがっている様子であった。
「ねえ、そうでしょう。白状なさい」
と、その客は金博士の寝衣の裾をおさえて話しかけるのであった。金博士が暁の寒冷にはち切れそうなる下腹をおさえて化粧室にとびこんだとたん、扉の蔭に隠忍待ちに待っていたその客は、鬼の首をとったような顔で、金博士の裾をおさえて放さないというわけである。
「これこれ、そこを放せ。早く放さんか。一大爆発が起るわ。この人殺しめ」
博士は、身ぶるいしながら、鍋のお尻のように張り切ったる下腹をおさえる。客は、そんなことには駭く様子もなく、
「大爆発大いに結構。その前に一言でもいいから博士直々の談を伺いたいのです。すばらしい探訪ニュースに、やっと取りついたのですからな。さあ白状なさい」
「なにを白状しろというのか、困った新聞記者じゃ」
「いや私は、録音器持参の放送局員です。博士から一言うかがえばよろしい。あの赫々たる日本海軍のハワイ海戦と、それからあのマレイ沖海戦のことなんです」
「そんなことをわしに聞いて何になる。日本へいって聞いて来い。