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ふちんぐんかんのみほん
不沈軍艦の見本
海野 十三
――金博士シリーズ・10――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,749 字 · 24 页
博士はメスを置いて、こんどは高圧ブラストで、甲板の破片を海中へ吹きとばした。すると甲板の大きく切られた断面が人々の目の前に現れた。
「これ御覧。すてきに厚い最良質のゴムの蒲団みたいなものじゃ。爆弾が上から落ちる。するとゴムの蒲団にもぐる。その間に爆弾の方向が鋼鉄の艦体に平行に曲る。そしてそのまま走るから、鋼鉄の艦体の外側をぐるっと廻って艦底に出て、そこでゴム底を突き破って、爆弾は水中へどぼんと通り抜ける。な、分るでしょうがな」
金博士は、大統領の顔を見る。大統領は大きく肯き、傍にいる建艦委員の誰かの腕をつかんでゆすぶり、
「おい、君たちにも分るだろうな。よく覚えておくんだぞ。後でこのとおり作るのだから……」
「はい、大統領閣下」
「そこでこの爆弾の通過時間の長さじゃが、もちろん時限以内のすこぶる短時間で艦外へ抜け出るようになっていること、それからこのゴムは爆弾で初めに穴は明くが、爆弾が通り抜けると直ちに収縮して穴をふさぐから水を吸い込む余裕のないこと、この二点についてわしはちょっと苦心をしたよ」
博士は、かすかに溜息をついた。大統領閣下は、嵐のような長大息をした。