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しゅうとめとよめについて
与謝野晶子評論集
与謝野 晶子
与謝野晶子『与謝野晶子評論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:姑と嫁について、母性偏重を排す。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,148 字 · 31 页
に拠る)と言われる。
この答を得てかえって私の疑惑は繁くなった。それは恐らく私の思慮の足りないせいであろうが、私にはトルストイ翁のこの答の中に重大な誤謬が含まれているように想われてならない。翁は男女の本務が物事の本性の中で予定されているといわれる。「物事の本性」とは男性は男性の本質、女性は女性の本質の意味であろう。私はそれを考察してみた。そうして私は「物事の本性」が男性女性という外面的差別の奥に「人間性」というもので全く内面的に平等であることを見た。そうして人類の本務はトルストイ翁の説かれるように二つを大別されていない。唯だ一つ「人類の幸福の増加」言い換ればより好く生きて行こうとする根本欲求の実現の外に何もないのを見た。これが人間性の全部である。
私の考察が間違っていないなら、この唯一の根本欲求には人間の万事が含まれている。トルストイ翁の言われた「種族の存続」もその万事の内の重要な一大事として私には見られる。そうして人類の本務――人類の幸福の増加――には総ての人間が平等に参加し、男女の性に由って外面の状態に差別はあっても、本質的には男も女も平等の人間として人間性の完成に力を協せているように私には見られる。