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おかのどうぞう
丘の銅像
「新美南吉童話全集第一巻 ごんぎつね」大日本図書、1960(昭和35)年6月20日初版発行
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,087 字 · 17 页
塔の階段も、あまりひどくきしむので、だれもきみわるがって、のぼらなくなりました。そこである年、村人たちは、教会をたてなおそうという、相談をしました。そのころ、村はかなり大きくなっていて、大むかし、ヘンデル先生が薬草をさがしていたあたりまで、家ができていました。そしてまた、村人たちは、なが年の平和で、たいへん、ゆたかになっていました。
そこで相談の結果、新しい教会を、丘の上の銅像のあるところに、たてることになりました。
あやしげな銅像は、とりのぞかれることになりました。が、まったく、すてられたわけでは、ありませんでした。というのは、塔につるす鐘をつくるのに、この銅像を、つかうことになったからでした。
銅像は、馬のひく荷車にのせられて丘をくだり、となり村の鋳物師のところまで、ごとごとと引かれていきました。鋳物師のところで、強盗と忠犬ナハトは、一つのるつぼの中にたたきこまれて、一つにとけあってしまいました。そして、それから七つの、そろいの鐘がつくられました。
はじめ、詩人ハンスであった銅像は、医者のヘンデル先生にかわり、つぎは軍人のペテロにかわり、つぎには、おそろしい強盗にかわり、ついには、とけて七つの鐘になりました。