轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ちゅうよう
中庸
「群像 第八巻第六号」1953(昭和28)年6月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,104 字 · 33 页
村の公器を私用に供するとは奇怪なる汚職事件である」
根作はこう断じて見栄をきった。農民は意外に弁論に長じているもので、村長に就任以来特に余の痛感したのはこの一事である。浅薄な常識論を述べたてて、意外に深刻な反撃を喫したことは一再にとどまらない。余の悪癖は口の軽く論拠の浅いことである。余は根作の反撃をうけて沈黙せざるを得なかった。
「村長無用!」
「村政に口をだすな!」
「約束を忘れたか!」
口々にこう罵られて、余はいさぎよく退席した。無為無能の村長をもって任じているから、反撃をくらえばこだわりなく退くだけの悟りは開いていたのである。しかるに余の退席後、奇怪な決議が行われたらしい。
次の日曜日に大工が小学校を奇襲して、職員室と宿直室の根太をはいだ。これを一部に当てて教室に床を張ったが、その代りとして、職員室と宿直室は土間に変ってしまった。
報に接して余も学校にでかけたが、村長たる余でさえも、村会議員とその手先の村民にさえぎられて、工事の現場に立入ることはできなかった。村民の一部は消防の装束をまとって、禁止区域に立入る者は容赦なく撃滅の覚悟をかためていたようである。