轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ちゅうよう

中庸

坂口 安吾

「群像 第八巻第六号」1953(昭和28)年6月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,104 字 · 33 页

青空文庫

幸い私には夫婦二人には広すぎる屋敷があるから、部屋は自由に使っていただいてかまわないが」

マリ子は余の差出したたばこを吸っていたが、

「そんなに困っているように見える?」

「困っているように見受けられるが」

「やせ我慢はよした方がいいかな。でも、もっと困ったことだって、十回や二十回にきかなかったわよ。今まで生きてくるのに。今日なんか、私がこうしてぼんやりしてると、誰かがきて、みんなしてくれて、たばこもくれる人があるし、なんでもない方よ」

「やせ我慢じゃないかね」

「そうでもないらしいわ。私はね。むしろ羽生助役に感謝してるんです。土間の藁にもぐりこんで眠ることを教えてくれたから。ふとんだのたたみなんて、たたんで押入へ片づけることができたり、掃いたりするのに便利なだけだ。私がゆうべたたみの上のふとんにねたか、土間の藁にもぐりこんでねたか、誰に分るものですか。私でなくて、王様の場合だって、そうですよ。王様がふとんをひッかぶってねていたり、お尻だけだして便所にしゃがんでいたりするの、おかしいわよ。土と藁の中から目をさまして這い出してくる方が、よっぽど王様らしいや」