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『せっかずせつ』のけんきゅう
中谷宇吉郎集 第二巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第二巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『雪華図説』の研究、『雪華図説』の研究後日譚、兎の耳、英国の物理学界と物理学者、温泉1、米粒の中の仏様、清々しさの研究の話、墨色、大謀網、長崎留学、鼠の湯治、民族的記憶の名残、室鰺、雪協議会の報告、真夏の日本海。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 83,098 字 · 172 页
虫眼鏡による肉眼観測の場合は、顕微鏡写真を撮る時ほど、気温の低いことは必要ではないが、それでも零下四、五度以下の時が望ましいのである。土井利位の住居下総の古河のような所では、厳寒の時でも、夜か夜明けでないとちょっと観測が困難であろうと思われる。日中雪の降っている場合は、下総などの地方では、気温がかなり高いことが多いからである。普通黒い布片、特に毛織物が望ましいのであるが、それをよく冷してその上に降ってくる雪の結晶を受けて、虫眼鏡で覗くのが一番便利である。土井利位も厳寒の夜更けの縁先などで、すっかり身体を冷しながら観測したものと思われる。身体が温っていると、その輻射熱のために結晶を覗くと消えてしまうのである。
ところでこういう雪の結晶の観測心得が、ちゃんとしかも非常に要領よく、『雪華図説』の中にかいてあるのには少々驚いた。「西土雪花ヲ験視スルノ法。雪ナラントスルノ天。預メ先。黒色ノ八糸緞ヲ。気中ニ晒シ。冷ナラシメ。雪片ノ降ルニ当テ之ヲ承ク。肉眼モ視ルベク。鏡ヲ把テ之ヲ照セハ。更ニ燦タリ。看ルノ際。気息ヲ避ケ。手温ヲ防キ、繊鑷ヲ以テ之ヲ箝提スト。余文化年間ヨリ雪下ノ時毎ニ黒色の※(「髟/休」