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『せっかずせつ』のけんきゅう
中谷宇吉郎集 第二巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第二巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『雪華図説』の研究、『雪華図説』の研究後日譚、兎の耳、英国の物理学界と物理学者、温泉1、米粒の中の仏様、清々しさの研究の話、墨色、大謀網、長崎留学、鼠の湯治、民族的記憶の名残、室鰺、雪協議会の報告、真夏の日本海。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 83,098 字 · 172 页
、第3水準1-94-26)器ニ承ケ之ヲ審視シ。以テ此ノ図ヲ作ル。」というのであるから、現代の吾々が注意をするとしても、先ずこのくらいの所であろう。器というのは多分漆塗りの器のことと思われるが、それだとすると大変巧い考えである。この頃独逸で、雪の結晶の顕微鏡写真を黒地に白く出すために、黒い石の磨いた面に結晶をのせて写真を撮った人があるが、漆器の面の方が熱伝導率が小さくて石より良さそうである。この点では現代の科学者も土井利位に教えられる点があると感心した。
これだけの注意をしてこういう忠実な観測を長年月にわたって続けることは、私たちの経験から見ても、かなりの労苦を伴った仕事であったことだろうと想像される。小さいながらも一城の主の趣味的仕事としては正に感嘆すべきものである。
欧洲の昔の雪の結晶の記録で有名なものは、英国の気象学者ゼームス・グレイシャーの摸写図であって、彼は一八五五年、すなわち『雪華図説』におくれること三十二年に、百五十一箇の雪華の摸写図を発表している。彼の仕事は顕微鏡写真の発達する以前の雪華図としては、最も精巧を極めたものということになっているが、公平に見て私は土井利位の『雪華図説』