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『ケプロン・くろだのこうそう』について
中谷宇吉郎集 第八巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第八巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『ケプロン・黒田の構想』について、桂浜、北国の春、金鱗湖、高度八十マイル、写真と暮らした三十年、寅彦の遺跡、南極・北極・熱帯の雪、百科事典美談、北海道開発に消えた八百億円、母性愛の蟹、娘の結婚、雪の化石2、六三制を活かす道、ピーター・パン。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 85,890 字 · 178 页
だから学生が多数いなくなれば、先生は免職になる。それで教育も改善され、目的は果たせるわけである。
日本も、官立大学に入学試験という奇妙な制度があったり、また学生のストライキというような不可解な現象があるうちは、いくら威張っても、民主主義の国家とはいえない。
私立大学の方は、話が全く別になる。これは理事会という経営者団体が経営している精神的なデパートである。売品は知識であって、これを学生というお客様が、高い料金を払って買いにくる。月謝は普通の大学で、年に七百五十ドル(二十七万円)くらいである。
年に二十七万円も払ってくれる得意を、大学で断わるはずがない。従って入学試験はない。資格試験の方は話が別で、あまりできない学生を入れると、他の得意の迷惑になるし、また本人もただ損になるから、これは断わった方が親切である。ストライキのないのも当然な話である。百貨店へ行って、この店は気に入らないからといって、金だけ払って、品物を持って帰らないお客は、恐らく、世界中どこにもないであろう。
こういうふうに考えてみると、選抜を目的とした入学試験などというものは、官立私立ともに、有り得べからざるものである。