轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

なかざとかいざんの『だいぼさつとうげ』

中里介山の『大菩薩峠』

三田村 鳶魚

「日本及日本人」1932(昭和7)年10月15日号、11月1日号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,523 字 · 27 页

青空文庫

いかに大尽にしたところが、百姓の家の召使が、「お沙汰」なんていうのは不釣合な敬語である。

五五八頁に「お君はお銀様の居間へ上りました」とある。「上りました」というなら、「御居間」といいそうなものだが、そこまでは行き届かなかったとみえる。「上りました」も、百姓の家には不釣合だ。

五六三頁にも、お銀の言葉として「其方のお邸へ行つてはなりません」というのがある。この大百姓の家は、主人、姉娘、弟と区切って、住居が拵えてあるらしいが、その一つを指してお邸というのは、他に例のない言い方である。妙に気取ろうとするから、世間無類な言葉も出てくるわけか。そんなに大名めかしい生活をしているのかと思うと、その次の頁には、「三郎様は大きな下駄を引ずつて雨の中を笠も被らずに悠々と彼方へ行つてしまひます」と書いてある。三郎というのはお銀の弟で、「十歳ばかりの男の子」なのですから、子供が大人の下駄でも穿いて来たんでしょう。それは民間によくあることだからいいが、大名めかしい生活の家とすれば、相当に付きの者もいるし、その他にいろんな者もいるはずだから、子供がむやみに大人の下駄を穿いて出るなんていうことは、させもせず、また相当な家に育った子なら、そんなことはしないはずだ。