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らんぽぶんせき

乱歩分析

大下 宇陀児

「別冊宝石」1954(昭和29)年11月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,427 字 · 17 页

青空文庫

そもそも、トリックの分類をしようなどということを、ずぼらな人間が思いつくはずがない。その仕事の文学的価値は別問題としておき、これも甚だしく根気を要し、また短い時間ではできぬことである。一方「探偵小説三十年」の回顧では、あらゆる新聞や雑誌から、乱歩のことにつき言及してある記事は、片言隻語と雖も、怠らずこれを切り抜いて保存してあることを示しているし、まだ驚くべきことがある。彼は知友との間の通信文を、先方から来たものを保存してあるのは勿論のことだが、なおまた自分が書いて出したものも、ちゃんとコピーをとっておいてあるらしい。これこそは、めったにやる人のないことだが、それほどにも彼は、几帳面なことができるのである。

「〔続・〕幻影城」では、巻末に、人名・社名・作品名・書名・新聞名・雑誌名の項目に分けての索引をつけた。

こんなにもこまかい分類の索引をつけた書物というものは、めったに見当らず、ことに文学関係では、希有のことに属する。

たしかに彼は、学究的肌合が多分にある。

もしかして、一つの科学の領域に彼が住んでいたとしたら、そこでも、かなり大きな業績を示したにちがいない。