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にさんのさんめいについて

二、三の山名について

木暮 理太郎

「霧の旅」1928(昭和3)年6月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,599 字 · 57 页

青空文庫

衣手 常陸の国 二並ぶ 筑波の山を 見まくほり 君来ましぬと 熱けくに 汗かきなげ 木の根取り うそむき登り 岑の上を 君に見すれば 男の神も 許し給ひ 女の神も 幸ひ給ひて 時となく 雲ゐ雨ふる 筑波嶺を さやに照して いぶかしき 国のまほらを つばらかに 示したまへば うれしみと 紐の緒ときて 家のごと 解けてぞ遊ぶ うち靡く 春見ましゆは 夏草の 茂くはあれど 今日の楽しさ

というので、筑波の双峰が早くから男神女神として崇められていたことが分る。各地にある二上山というのも二神山であって、二峰相並んで聳立していることを示す。

筑波の起源に就ては二、三の異説がある。ツクハはツクマ(佃間)の転で、早くから此地方に移住した高天原民族の一派が蝦夷を駆逐して次第に領域を広め、鬼怒川(今の小貝川)流域にツクマを設けて米作を興した。そのツクマがツクバとなり、地名から終に山名となったのであるというのが一説で、又之をアイヌ語の聳え立つ頭の意であるツクパとする一説もある。実際東側の恋瀬川の畔から西望すると、筑波の双頭は相重なりて一尖峰をなし、鋭く天を刺しているのでツクパ説の出るのも無理はないと思われる。