轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ふたつのにわ

二つの庭

宮本 百合子

「中央公論」1947(昭和22)年1、3~9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,492 字 · 389 页

青空文庫

それを思いやらず、無頓著にただ陽気そうに笑っていた若い女である自分の笑顔の上に、伸子は無智からくる厚かましさをみとめた。それは伸子に自分への反感をつよく感じさせた。

食うための苦労をしたことがないということで、伸子は作品に関してまで悪口を云われて来た。それにたいして食うための苦労をしなくたって、と人間の高まる可能を思いつづけて来たのであったが、今、伸子にはそういう卑俗な、そして、現象からだけ云われている言葉にも、もうすこし違った意味がありそうに思えた。ちがった意味というのは、伸子が勤労階級の生活の中から育ったものでないということ。保の上には、ある程度それを見て、心痛しているその同じ小市民風の考え癖、そんな考え癖の生れる保と、同じ本質の階級の地盤に自分も生活の根をもっている、ということが理解されるのであった。だからいつかのように、どうしても保にシュッ! としたことが云ってやれなかったわけもわかるようだった。

これらの発見の一つ一つは伸子にとって、自分の無智と無力を知らされることであった。しかし、この自己暴露には身をひきはがすような痛さと同時に爽快さが伴った。