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にばんめのむすめ

二番めの娘

小川 未明

「少女倶楽部」1925(大正14)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,488 字 · 16 页

青空文庫

「おまえは、どうして帰ってきたか?」と、母親は喜びと、驚きとで戸口へ飛び出しました。

「お母さんは、いったら、我慢をして家へ帰りたいなどと思ってはいけないと、おっしゃったけれど、私、どうしても帰りたくて、帰りたくてならないので、帰ってきました……。」と、娘は泣きながら訴えたのです。

「あ、よく帰ってきてくれた! 私は、おまえがいった日から、一日でも胸の休まった日とてなかった。いくら貧乏しても、親子はいっしょに暮らします。もう、けっして、おまえをどこにもやりはしない。」と、母親はいいました。

ふと、目がさめると、娘はそこにいませんでした。そして、いってから、いまだに便りとてなかったのです。

「夢であったか……。それにしても、娘は、いまごろどうしたであろう。」と、母親は、思っていました。

すると、このとき、かすかに、すすり泣きするような音が、戸の外できこえたのであります。母親は、驚いて床の中から起き上がりました。ほんとうに娘が帰ってきて、もしや家にはいれないで、庭さきにでも立って泣いているのでなかろうかと思ったのでした。彼女は雨戸を開けて、わざわざ外へ出てあたりをながめてみました。