轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
にはいじん
二癈人
江戸川 乱歩
「新青年」博文館、1924(大正13)年6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,388 字 · 23 页
あなたでない他の人を見ても、夢遊病者という先入主の為に、少し夜更けに怪しい人影でも見れば、すぐあなたにして了ったのかも知れません。そういう際に間違った噂を立てたからとて、少しも非難される憂いはありませんし、その上、一つでも新しい事実を報告するのを手柄の様に思うのが人情ですからね。さあ、こういう風に考えて見ますと、あなたの発作を目撃したという数人の人々も、沢山の証拠の品物も、皆ある一人の男の手品から生れたのだと云えないこともないではありませんか。それは如何にも上手な手品には相違ありません。でも、いくら上手でも手品は手品ですからね」
井原氏はあっけに取られた様に、ぼんやりして、相手の顔を眺めていた。彼は余りのことに考えを纏める力をなくした人の様に見えた。
「で、私の考えを申しますと、これはその木村というお友達の深い考えから編出された手品かも知れないと思うのです。何かの理由からその下宿屋の老主人を無きものにし度い、そっと殺して了い度い。併し、仮令如何程巧妙な方法で殺しても、殺人が行われた以上、どうしても下手人が出なければ納りっこはありませんから、誰か別の人を自分の身代りに下手人にする、而かもその人には出来る限り迷惑の掛らぬ様な方法で……若し、若しですよ、その木村という人がこんな立場にあったと仮定しますならば、あなた