轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

にひゃくとおか

二百十日

小川 未明

「小学六年生」1939(昭和14)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,094 字 · 11 页

青空文庫

」と、正二は耳をすましていると、たなの上の植木鉢を下ろして、家の内へ入れているようすでした。おじいさんは、実のついたざくろから先に入れられたであろうと思いました。

「ざくろのつぎにはどれかな。」

正二は、寝ながら、いろいろあった植木鉢のことなど考えました。「梅か、それとも松かな。」そんなことを空想しているうちに、いつかまたぐっすりと眠入ってしまいました。

夜が明けました。けれども、まだ風の音がしています。正二は起きて庭先へ出てみると、いろいろの木の葉が、無理に引きちぎられたように、庭一面に散らばっていました。そして、百日紅の花が、ふさのつけ根からもがれていました。

学校へいく時分には、風はいくぶん衰えたが、頭の上の空には、まだものすごい雲が後から後から駆けていました。正二は、途中で同じ組の年雄くんに出あいました。

「年ちゃん、ひどい風だったね。」

「はとが帰らないのだよ。」と、心配そうな顔つきをして、年雄くんがいいました。

「えっ、はとが。」と、正二は、驚きました。

「昨日、兄さんが、静岡の方から放したのさ、それがまだ帰ってこないのだ。」

「風に出あって、どっかに休んでいるんだろう。