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にひゃくとおか

二百十日

小川 未明

「小学六年生」1939(昭和14)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,094 字 · 11 页

青空文庫

「おお、ようした。ようした。ハーモニカを買ってやるぞ。」

正二が、庭へもどってくると、おじいさんは、生き物の命を助けた喜びに、顔をかがやかしていいました。

「おじいさん、こんど僕、いいお点をもらってきたときでいいよ。」

「どうしてか、なぜ今日ではいらないのだ。」

おじいさんは、不思議に思いました。

「どうしても。だって、やんまを助けてやるのは、あたりまえだろう。」

正二、こんなことで、日ごろの言い分を通すのは、あまりうれしくなかったからでした。

「そうか、それは、感心だ。ごほうびをもらわなくても、正しいことは進んでやるのが善い子供なのだ。」

おじいさんは、上機嫌でありました。正二も、おじいさんにそういわれると、ハーモニカを買ってもらったよりもうれしかったのでした。

晩方のことです。

正二が、外へ出ると徳ちゃんが、飛んできました。

「正ちゃん、おもしろいことをしない。」といいました。

「おもしろいことって、どんなことだい。」

「お化けごっこだよ。」

「お化けごっこって、どうするの。」

徳ちゃんは、正二に、いろいろ知恵を与えたのです。

「すてきだね、待っておいで。僕、家へいって絵を描いてくるから。