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にひゃくとおか
二百十日
小川 未明
「小学六年生」1939(昭和14)年9月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,094 字 · 11 页
」
叔父さんは、正二のポケットからのぞいている般若面を見つけて、
「これを被ったんだな。」といいながら、引き出して自分で被るまねをしました。みながひょうきんな叔父さんの顔を見て笑いました。
それから、三人は、話しながら暗い道を帰りました。
「光ちゃんは、どうしたろうか。」
「もう、ねんねしたろう。光ちゃんは、臆病だね。」
「勇ちゃんもおっかなかったろう。」
「僕、徳ちゃんが、大騒ぎをしないから、きっとだれかいたずらをしているのだと思ったよ。」
「いたずらなんかして、ばかをみてしまった。」と、正二は、後悔しました。このとき、木の枝に当たる風が、いつもとちがって強かったのでした。
「二百十日の風だね。」と、徳ちゃんが、いいました。思い思いに、空を仰ぐと、星の光が、見えたり隠れたりしました。雲が走っていたからです。
「明日は、土曜だから、学校から帰ったら、川へいって、魚捕りをしよう。」と、たがいにいって、別れました。
正二は、夜中にふと目をさますと、ゴウゴウといって、風の音がしています。
「風が西へまわったから、雨になるかな。」と、庭の方で、おじいさんの声がしました。
「おじいさまは、起きていらっしゃるのだろうか。