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ごじゅうねんだいのぶんがくとそこにあるもんだい
五〇年代の文学とそこにある問題
宮本 百合子
「宮本百合子全集 第十三巻」新日本出版社、1979(昭和54)年11月20日初版発行
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 25,472 字 · 50 页
戦後四年めになって、日本の社会と文化とは、権力がのぞんでいる民主化抑圧の第四の時期を経験した。ワン・マン彼自身が国際茶坊主頭である。茶坊主政治は、護符をいただいては、それを一枚一枚とポツダム宣言の上に貼りつけ、憲法の本質を封じ、人権憲章はただの文章ででもあるかのように、屈従の鳥居を次から次へ建てつらねた。
おととしの十二月二十日すぎに、巣鴨から釈放されて、社会生活にまぎれこんで来た児玉誉士夫、安倍源基らの人々の氏名経歴を思い出して見れば、それにつづく一九四九年の権力が、そのかげにどんな要素をよりつよく含むようになったかということはおのずから明白でなければならない。過去三年間の経験では、まだ日本の人々の間に民主的な生活感情が確立しかねていたうちに、既成の勢力は全力をつくして、一応はびこることに成功した。一九四九年が、国内的に誰にとってもいい年でなかったという現実は、日本の民主主義運動のやりかたや、解放運動の科学的な理論の骨格そのものについて沈潜した再検討を必要とする人々の気持のモメントともなっている。
この荒い波は、直接間接文学に影響を与えずにいなかった。