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ごじゅうねんだいのぶんがくとそこにあるもんだい
五〇年代の文学とそこにある問題
宮本 百合子
「宮本百合子全集 第十三巻」新日本出版社、1979(昭和54)年11月20日初版発行
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 25,472 字 · 50 页
言論機関としてのジャーナリズムがつよい統制、整備のもとにおかれたのは一九四八年からだったが、その方法は、昔からみると比べものにならず技術的であった。ゴロツキ新聞の排除、用紙配給の是正、購読者の要求への即応という掘割をとおって、戦後の小新聞は、民主的な性格のものをふくめて、大企業新聞に吸収された。そして、一九四九年の秋の新聞週間には「新聞のゆくところ自由あり」と、記者たち自身にとってもけげんであろうような標語が示された。日配の解体、再編成は、集中排除法という経済面から強行されて、三ヵ月以上にわたった出版界の経済封鎖の過程では、大出版企業者をのぞく、すべての出版事業がいちじるしい危機にさらされた。こんにち揺がない大出版企業の代表者たちが、文化上どのような性質をもつ存在であるかということは、渡米ラッシュの各界代表選出にさいして、出版界だけが人選にゆき悩んでいる実状に語られている。
一九四九年度の文学現象の特質は、このつくられた恐慌の裏づけぬきに観察されない。「所謂戦後派と言われたヨーロッパ的小説方法の実践者の運動が、出版景気の減退に伴って不利になって来た」