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ごじゅうねんだいのぶんがくとそこにあるもんだい
五〇年代の文学とそこにある問題
宮本 百合子
「宮本百合子全集 第十三巻」新日本出版社、1979(昭和54)年11月20日初版発行
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 25,472 字 · 50 页
の階級移行がはじまっている事実が着目されなければならない。民主陣営が、その経済闘争や政治闘争の場面で、労働者、農民、小市民、中小商工業者、民族資本家までを含めた人民の統一戦線をよびかけながら、文化・文学の面に対したときだけは、小市民層の(学者、文化人、作家、芸能家その他をも含む)消極的な面だけをとりあげて叱咤、批難することがあるとすれば、ピカソをも包括する文化の民族的な線を学ぶというたてまえはどうなるだろう。小市民層は、労働者階級に奉仕することにしか使命はないとする考え方のあやまりであることも明瞭である。一つの階級が他の階級を自身の奉仕におくという考え方は、労働階級は資本家階級に奉仕すべきものであるという資本主義的な考え方の裏がえしにすぎない。どこの国でも一定の資本主義文化の発達したところでの革命的な文学運動は、常にその主力である労働者階級の社会的文学的発展とのつながりで、農民・小市民の文化文学の実質が、どのように小市民自身の解放に役立つものとして成長するかということに大きい関心を払われているのである。
七
現代文学は、もうしなびてしまった私小説のからから、どのように新しい成長をとげるかという共通のもがきをもっている。