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ごかねんけいかくとソヴェトのげいじゅつ

五ヵ年計画とソヴェトの芸術

宮本 百合子

「ナップ」1931(昭和6)年1、2、4~8、10月号、「プロレタリア文学」1932(昭和7)年1月創刊号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 58,485 字 · 116 页

青空文庫

は本気にうけとれない。君等の考えている革命なんてのはこんなところだろう、と云われているような工合だ。そう考えると「赤紫島」という題も妙にこっている。

だって、赤は、赤でいい。われわれに分る意味においての赤だ。然し、紫というのは何だろう? ヨーロッパの伝統的な色の言葉で権威、王位、威厳、信仰を意味する。ナポレオンが帝位につくとき背中にひきずった裳は紫ではなかったか。現在でも紫という色は、同じような意味をもっている。「赤紫島」というのを別な表現で書くと「赤の信仰ででっち上げられた島」または「赤が王の島」となりかねない。

ソヴェト同盟の大衆にとって、こういう種類の諷刺が、ほんとの諷刺としてうけとれず、そこにブルガーコフの傍観主義や底意地のわるい嘲弄を感じたのは、むしろ自然であった。

大体、文学をこめてのプロレタリア芸術一般にとって、諷刺的手法が正しい効果をもつ場合は、諷刺そのものがただ題材の或る矛盾面の抉出だけに終らず、積極的な建設的な教唆、暗示、明示等を含んでいる時に限られる。プロレタリア芸術の諷刺とブルジョア芸術の諷刺との相違は明かに此処にある。

ブルジョア漫画家も失業でやけになって酔っ払った労働者の酔態を描くだろう。