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ごかねんけいかくとソヴェトのげいじゅつ

五ヵ年計画とソヴェトの芸術

宮本 百合子

「ナップ」1931(昭和6)年1、2、4~8、10月号、「プロレタリア文学」1932(昭和7)年1月創刊号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 58,485 字 · 116 页

青空文庫

「英雄の誕生」が、大衆によっていろいろに吟味されつつある間に、再びソヴェトでは春の種蒔時が迫って来た。一九三〇年だ。

『プラウダ』は「種」の準備、農業機械中央部への注意、五ヵ年計画第二年目の蒔つけ地積拡大予定計画などを次々に発表した。

『文学新聞』(ソヴェト作家団体連盟の機関紙)は、作家の農村への見学団募集をしはじめた。芸術ウダールニクを組織する必要をその社説に発表した。

ソヴェト市民は、映画のスクリーンの上に見た、まだ雪が真白にのこっている早春の曠野で、疎らな人かげが働いているのを。測量器をかついで深い雪をこぎ、新しい集団農場の下ごしらえのために働いているコムソモールを照らす太陽と、彼等の白い元気のいい息とを。

――「生産の場所へ!」――

何台も連結された無蓋貨車に出来たてのトラクターがのせられた。数百露里のレールの上を、新しい集団農場に向って走ってゆく。

そのレールを走るのは、重い貨車ばかりではなかった。三等列車も通る。

一九三〇年の春の種蒔どきには、風変りな見かけの三等列車がソヴェト・ロシアのレールの上を運行した。三等列車の鋼鉄ではられた外側いっぱいに「五ヵ年計画を四年で!」