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ごかねんけいかくとソヴェトのげいじゅつ

五ヵ年計画とソヴェトの芸術

宮本 百合子

「ナップ」1931(昭和6)年1、2、4~8、10月号、「プロレタリア文学」1932(昭和7)年1月創刊号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 58,485 字 · 116 页

青空文庫

「こうだべよ」

ザイツェフが云った。

「作者は村を旅行したのよ、手帳に書えたのヨ――ホーレ、それがこの小説だ」

「たまらねえ程無駄だらけだ」

「よこ道さそれてる」

「本のどこにも、集団化がねえ!」

「思うに『貧農組合』は貧農をまっとうに書いていねえ。何故この小説に、本当のたちのいい貧農は出て来ねえんだ? 貧農はどれでもシュレンカみたよなノラクラ者ばかりじゃねえんだ!」

「この世の中に『貧農組合』みてな組合はねえヨ」

等々。遂に、彼等の結論はこういうことになった。

(一)農村にはいらない本だ。

(二)実際の仕事に関係あることは殆ど書かれていない。ちょいちょい区切って、ところどころ読んで行く分には読める。退屈ではない。然し、農村の集団化とは結びついてはいない。

(三)「貧農組合」は農村における集団農場化のために少なからぬ害を与えるが、ためになるところはない。この小説には成っていない集団農場が書かれている。

(四)農村というものが、不充分に、ボンヤリ拵えものに書かれている。

――○――

ソヴェトの農民が、ソヴェトの農民小説に加えた批評だからと云って、それがいつも絶対に正しいものばかりだとはきまらない。