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ごかねんけいかくとソヴェトどうめいのぶんかてきひやく

五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍

宮本 百合子

「ナップ」1931(昭和6)年11月臨時号

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 14,715 字 · 30 页

青空文庫

トラクターと一緒に文化がやって来ている。

「ギガント」から一時間ばかり汽車にのっかって行くと、「ウェルブリュード」という国営大耕地の真中に、農業機械専門学校がある。建ったばかりの校舎、寄宿舎、労働者住宅などが快活に花園をかこんで窓々を開いている。男女の学生、未来の技師たちは、五年以上職場にいたものに限られている。

ロストフ市の郊外に新しくプロレタリア文化の壮麗な城のような「セルマシストロイ」(農業機械製造)の大工場都市がある。これは純然たる社会主義都市計画によってつくられた町だ。

明るい、電化された大工場を中心に共同食堂がある。消費組合売店ではラシャの布地まで扱っている。托児所、学校、革命の家、病院は建築中だ。案内の若い、労働通信員をしている技師と工場内の花の咲いたひろい通路を歩いていたら、こっちでは電熱炉で鉄を溶かしている鍛冶部の向い側のどこかで、嬉しそうなピアノの音がしはじめた。

「セルマシストロイ」は巨大工場で未完成だ。各部がまだクラブを職場の近所の建物の中にもっている。丁度昼休みで、ソヴェト同盟の労働者が仕事着のままその前に坐っているピアノの音が聞えはじめたという訳だ。