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ごかいのまど
五階の窓
森下 雨村
03 合作の三
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,990 字 · 26 页
というよりも、沖田刑事が司法主任や敏腕な冬木刑事を出し抜いて、もっとも有力な容疑者を引っ張ってきたことを奇跡ででもあるかのように驚いているのであった。
さっそく取り調べることになって、二人は二階へ上がっていった。小さいテーブルを中に署長が桝本と相対し、署長の右に沖田刑事が腰をかけた。人並外れて身体の大きい署長と、でっぷり太ったあまり人相のよくない職長と、痩形の沖田刑事との鼎坐は、もし傍から見ている者があったなら、すこぶる珍な対照だったに違いない。
「きみは西村電機工場の職長をしているそうだね?」
署長は癖のある嗄れ声で桝本を見下ろすようにして、真っ向から訊きだした。
「はい、職長を務めております」
桝本はおとなしく答えた。
「きみは昨日、午後四時前後に、Sビルディングに西村社長を訪ねただろう?」
つい、この夏の更迭まで警視庁の刑事課にいて、容疑者調べのこつを心得過ぎるほど呑み込んでいる署長は、ひと癖ありげな桝本を見て単刀直入、まず敵の度胆を抜く戦法に出た。が、相手はいっこう動じるふうもなかった。
「ええ。たぶん、そのことでお訊ねだろうと、わたしも思っておりましたが」