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じんぞうにんげんのひみつ

人造人間の秘密

海野 十三

「小学六年生」1940(昭和15)年8月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,664 字 · 38 页

青空文庫

博士は、妙なことをいいだした。

「不完全ですって。なにが、不完全なんですか」

「そのわけは、ちょっと簡単にいえない。が、要するに、ちょっとやれば、すぐ壊れてしまうようなものは、不完全の証拠だ。わしは……」

といいかけた博士は、そこで急にことばをきって、熱心に受話器から流れ出す音をきき始めた。

「おお、そうか。いよいよやって来たか」

「やって来た? なにがやって来たのです」

「人造人間部隊の襲来だ。おそらく、お前たちが出発してすぐその後から、ドイツ軍がくりだしたものだろう。おお、見える見える。もうあそこまで来た。畜生、わしのものを失敬して、わしを攻めるとは、けしからんドイツ軍だ。だが、今に見ておれ」

博士は、かずかずの呪いのことばを、地平線のあなたに投げつけた。はるかうしろの、もうすっかり明け放れた地平線上には、いつの間に追いついたのか、三四百人の人造人間部隊が、肩を揃え、顔を並べて、大河の流れのように、こっちへ押しよせてくるのであった。

「あっ、撃った」

「えっ」

「人造人間の腕に仕掛けてある機銃が、一せいにこっちに向いて、撃ちだしたぞ」

だだだン、だだだン、だだだン。