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じんぞうにんげんのひみつ

人造人間の秘密

海野 十三

「小学六年生」1940(昭和15)年8月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,664 字 · 38 页

青空文庫

「おお、ハンス奴。ナチスの旗を立てている。なに、モール博士、降服しろと信号を送っているぞ。な、なまいきな奴だ」

博士は、かんかんになって怒りだした。そして、一層早口になって、ハンスを呪いだした。

「おい、ハンス。お前は、わしの持っていたB型人造人間の設計図をつかって、その人造人間部隊を作りあげたのじゃろう。双眼鏡で見ると、お前はたいへん得意らしい顔つきだが、B型人造人間なんて、A型人造人間同様に、不完全なんだ。見ていろ。わしが、この釦を押せば、その瞬間に、せっかくの人造人間部隊が、ばらばらになって空中に吹きとんでしまうんだ。さあ一つ、その豪華な爆発作業を見せてやるかな」

と、遠くにいるハンスに向って、モール博士は、さんざんの憎まれ口をきいたうえ、例のスイッチを入れ、そして指先に力を入れて、B型人造人間が爆発分解する釦を、ぽッと押したのであった。

「おやッ!」

叫んだのは、モール博士だ。予期した爆発が、起らないのであった。人造人間部隊は、あいかわらず整然と隊伍をととのえて、丘を下りて、こっちへやってくる。

モール博士は、狼狽の色を、かくそうともしなかった。