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じんぞうにんげんせんしゃのきみつ
人造人間戦車の機密
海野 十三
――金博士シリーズ・2――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,501 字 · 19 页
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魔都上海に、夏が来た。
だが、金博士は、汗もかかないで、しきりに大きな手押式の起電機を廻している。室内の寒暖計は、今ちょうど十三度を指している。ばかに涼しい室である。それも道理、金博士のこの実験室は、上海の地下二百メートルのところにあり、あの小うるさい宇宙線も、完全に遮断されてあるのであった。
天井裏のブザーが、奇声をたてて鳴った。
「ほい、また来客か。こう邪魔をされては、研究も何も出来やせん」
博士は、例の無精髭を、兎の尻尾のようにうごかして、天井裏を睨みつけた。
「博士、御来客です。醤買石閣下の密使だそうです。はい、只今、X線で、身体をしらべてみましたが、何も兇器は所持して居りません。どういたしますか」
姿は見えないが、声だけの秘書が、用事を取次いだ。
「何か土産を持っている様子か」
「なんだか、大きな風呂敷包を、背負って居ります。どうやら羊か何からしく、X線をかけると、長い脊髄骨が見えました」
「羊の肉は、あまり感心しないが、糧食難の折柄じゃ、贅沢もいえまい」
「では、通しますか」
「とにかく、こっちへ通してよろしい。土産物を見た上で、話を聞くか、追払うか、どっちかに決めよう」