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じんぞうものがたり
人造物語
海野 十三
「新青年」1931(昭和6)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,674 字 · 17 页
と呼びかけて来るそうである。
この種の人造人間は、泥棒よけには、もって来いである。真暗な邸宅の中に、泥棒が入って来て、震動をさせたり、或いは、懐中電灯をサッと向けると、「泥棒、そこをうごくな」と怒鳴って警笛をならし、警察へ電話をかける。泥棒が吃驚して、ライフルをぶっぱなしても、人造人間は、鋼製の皮膚を持っているから、それこそ弾丸があたっても、蚊が喰いついたほどにも感じないことであろう。
* *
こういう風に、人造人間の働きぶりを挙げてゆくと中々きりがないのである。
さて人造人間は、どうして、そんなに働くことが出来るのか。その秘密をあばいて御覧にいれよう。
人造人間のうち最も簡単なものは、モートルや、ゼンマイ仕掛けで、いろいろと手足を動かし、首をふり、口を開き、眼玉をうごかすものである。我が国でも、甘栗太郎の店頭にはノンキナトウサンの人造人間が、このような所作をして甘栗の宣伝をしていた。巴里で、かつて、衣裳やさんが、このような仕掛けの美しいモデル人形をつかって流行の衣裳をダイナミックに見せたことがある。このような簡単なものは、ずいぶん古くからあったもので、僕が少年時代、神戸の湊川が、まだ淋しい堤防であったとき、その上に掛かった小屋で、「活人形」