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じんぞうものがたり

人造物語

海野 十三

「新青年」1931(昭和6)年4月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,674 字 · 17 页

青空文庫

このメリー・ウェルズを助手のピーターが操縦盤と一緒に盗み出し、強盗殺人をやらせるが、その働きは実に非凡である。大きなビルディングの下に立っていると思うと、スルスルと身長が伸びて、何十階の上の高窓に手が届いたり、警官隊や、その機関銃を撃退するところは、何とも恐ろしい光景である。これは「無線電話と無線鏡」をつかってこしらえあげた人間だそうであるが、今日の言葉で申せば、「ラジオとテレヴィジョン」仕掛けなのである。その空想は、実に今日実在する人造人間の構造そのものを言いあてていられるところ、まことに驚歎すべきものである。この厄介な怖るべき電波嬢は、博士の手にその操縦盤が帰ったため、反って博士の手によって行動することとなり、助手のピーターを逆に取押さえるところで物語は了っている。その電波嬢は、あとで解体せられ、スプリングや電池とかわってしまったという。

*   *

さて、実在の人造人間は、いつ頃から世の中に現われたのであるか。その最初のは、たしかでないが、多分一千九百二十六七年らしい。産れたところは、米国と英国とであった。

人造人間をロボットというのは、チェッコスロバキヤの劇作家が一つの小説を書いたが、その中にロボットと名付ける一人の人物が登場するが、それがあとの方になって、本当の人間ではなく、実は機械