轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
かたきうちきょうだいがさ
仇討姉妹笠
国枝 史郎
「講談雑記」1936(昭和11)年1月~10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 80,178 字 · 159 页
「駄目だのう」と頼母は云って、落胆したように顔を上げた。
「あれ以上に文字は現われないのであろうよ。……この独楽に現われたあれらの文字と、以前にわしの持っていた独楽へ現われた文字、それを一緒にして綴ってみようではないか。何らかの意味をなすかもしれない」
「それがよろしゅうございましょう」
こう云ったのは主馬之進であった。主馬之進は頼母の弟だけに、頼母にその容貌は酷似していたが、俳優などに見られるような、厭らしいまでの色気があって、婦人の愛情を掻き立てるだけの、強い魅力を持っていた。
「この独楽へ現われた文字といえば『淀』『荏原屋敷』『有りて』『「飛加藤の亜流』という十五文字だし、以前にわしの持っていた独楽へ現われた文字は、『屋の財宝は』『代々』『守護す』『見る日は南』の十五文字じゃ。……で、わしは先刻からこの三十文字を、いろいろに考えて綴り合わせてみたが、こう綴るのが正しいらしい……ともかくも意味をなすよ『淀屋の財宝は代々荏原屋敷に有りて、飛加藤の亜流守護す』と、なるのだからの」
「飛加藤の亜流とは何でしょう?」
主馬之進の妻の松女が訊いた。
彼女はもう四十を過ごしていた。