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かたきうちきょうだいがさ
仇討姉妹笠
国枝 史郎
「講談雑記」1936(昭和11)年1月~10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 80,178 字 · 159 页
「まあ叔父様、そのようなことまで……」
「わしは飛加藤の亜流なのだよ、どのようなことでも知っている……」
「では、叔父様には、淀屋の独楽の――三個あるという淀屋の独楽の、その所在もご存知なので?」
「一個は頼母が持っておる。お前を苦しめた松浦頼母が。もう一つは主税が持っておる、お前が愛している山岸主税が。……が、最後の一つはのう」
「最後の一個は? 叔父様どこに?」
「それは云えぬ、今は云えぬ! ……勿論わしは知っているが」
聞こえる歌声
「では叔父様、独楽にまつわる、淀屋の財宝の所在も?」
「淀屋の財宝を守護する者こそ、この飛加藤の亜流なのだよ」
「…………」
「この荏原屋敷の先代の主人は、わしの教の弟子なのじゃ。そうして淀屋の財宝は、この荏原屋敷に隠されてあるのじゃ。淀屋の財宝の所在について、わしの知っているのは当然であろう」
「…………」
「おいで、お八重」と飛加藤の亜流は云って、館を巡って歩き出した。
「眼には眼をもって、歯には歯をもって……因果応報の恐ろしさを、若いお前に見せてあげよう」
お八重は飛加藤の亜流の後から、胸を踊らせながら従いて行った。
この頃館の裏口では、頼母と主馬之進とが不安そうに、破壊された戸口から屋内を覗きながら、聞こえてくる物音に耳を澄ましていた。