轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
かたきうちきょうだいがさ
仇討姉妹笠
国枝 史郎
「講談雑記」1936(昭和11)年1月~10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 80,178 字 · 159 页
そこへ屋内から走り出して来たのは、飛田林覚兵衛であった。
「大変なことになりましてございます。主税めどうして手に入れましたものか、主馬之進殿のご内儀を捕虜とし、左様人質といたしまして、その人質を盾となし、二階座敷に攻勢をとり、階段を上る我らの味方を、斬り落とし斬り落としいたしまする」
大息吐いて注進する後から、お喋舌りの勘兵衛が飛出して来て、
「坂本様も宇津木殿も、斬り仆されましてございます。とてもこいつア敵いませんや。向こうにゃア奥様という人質があって、こっちが無鉄砲に斬り込んで行きゃア、奥様に大怪我させるんですからねえ」とこれも大息吐いて呶鳴り立てた。
「ナニ家内が捕虜にされた※(感嘆符疑問符、1-8-78)」とさすがの主馬之進も仰天したらしく、
「それは一大事うち捨ては置けない! ……方々お続き下されい!」と屋内へ夢中で駈け込んだ。
「では拙者も」と、それにつづいて覚兵衛が屋内に駈け込めば、
「それじゃアあっしももう一度」と勘兵衛も意気込んで駈け込んだ。
(夫婦の情愛は別のものだな)と後に残った頼母は呟き、戸口から屋内を覗き込んだ。
(臆病者の主馬ではあるが、女房が敵の手に捕らえられたと聞くや、阿修羅のように飛び込んで行きおった。