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こんにちのにほんのぶんかもんだい

今日の日本の文化問題

宮本 百合子

「思想と科学」臨時増刊号、1949(昭和24)年1月発行

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 81,154 字 · 161 页

青空文庫

日本の軽音楽は主としてアメリカの軽音楽に追随している。この追随は一面的で日本の洋楽の低俗な感覚で受け入れ易い面だけを誇張している。

日本音楽 琴、三味線などを中心とする伝統的な日本音楽はその復活の努力に二つの面を表している。一方はどこまでも古典的なままに日本音楽の伝統を生かそうとする努力である。他の一方は今日の日本の社会生活の現実感情に近づいたリズムやメロディーで新しい日本音楽を創造してゆこうとする努力である。琴においてこの努力をしつつある人々は、洋楽の音階を琴の絃にあてはめている。琴の弾音を利用してピアノまたはギターの効果を求め、一方でハープのやさしいひびきを出そうとしている。このような努力をしている人々によって試みられている新曲やエチュードは小規模なものではあるが今日の日本人に親しい感覚を与える。

三味線のオーケストラが試みられている。三本の絃をはった小さい軽い楽器の伝統的な大きさを自由にしてセロのような低音のハーモニーを見出そうとしている。新しい琴と三味線と横笛との演奏は、単調で憂鬱な昔の「三曲合奏」に全く新しい感情をつぎこんでいる。

能楽 日本の能楽は音楽とはいえない。