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こんにちのにほんのぶんかもんだい
今日の日本の文化問題
宮本 百合子
「思想と科学」臨時増刊号、1949(昭和24)年1月発行
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 81,154 字 · 161 页
一九四五年十二月には国家権力と神道との分離に関する指令が出された。続いて封建的な絶対主義と軍国主義的な服従を強いてきた修身の授業停止、侵略的な地理と天皇一族の絶対性・日本民族の架空な優位性を教える日本歴史の授業が停止された。
第二の教育の民主化のために一九四七年のはじめスタッダード博士を団長とするアメリカ教育使節団が来朝して、短期間であったが、有益な見学調査を行ってその報告書が世界に発表された。この教育使節団の報告にもとづいて軍国主義的日本の教育が特に長い戦争中殆ど教育らしい教育を行ってきていなかった実情が暴露された。六年間の国民義務教育を終った日本の人民がその実力は僅か四年間学校へ通った者と等しく、高等学校の学生の実力は中学の三、四年生に匹敵し、したがって大学卒業生の実力もきわめて低下していることが証明された。戦争中、国民学校上級生から中学、専門高校の男女学生が戦争遂行のために様々の形で動員され一週間に学習する日は一日二日あるかなしの有様であったことを思えば全体の学力低下はさけられない結果であった。
教育使節団の調査にもとづいて日本の教育制度の中央集権的悪弊――文部省の絶対的支配――を除くために教育権の地方移譲、九年制の無料義務教育の施行、ローマ字の採用、教科書の民主化等の目標が示された。