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こんにちのにほんのぶんかもんだい

今日の日本の文化問題

宮本 百合子

「思想と科学」臨時増刊号、1949(昭和24)年1月発行

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 81,154 字 · 161 页

青空文庫

小さい弟子たちの年齢は十三、四である。彼等は六・三制の三の部をブリキを叩いているのである。文部省は六・三制の三の部は、通信教授を受けることで完うしたものと認めるということを法文化そうとして一般の批判をうけた。少年労働が日本の繊維産業の基本的労働力である。すべての繊維工場へ行ってみればそこには十五、六の娘が圧倒的多数を占めている。何も知らない田舎の娘たちは花壇のある洋風まがいの寄宿舎にとじこめられて十一時間から十三時間の労働をしてきた。彼女たちの寄宿舎には「女学校」と称するものがあって普通の女学校へ行けない娘たちの渇望に答えるために裁縫、生花、ちょっとした講習会などを行っている。六・三制というものはこの多数の娘達にとって全くゆがめられた形で与えられている。

一九四八年に入って六・三制の現実は再び予算問題に苦しんでいる。同時に新学期を控えて新制中学へ進む子供たちの内申書問題が重大化した。小学校から私立の新制中学へ進む子供たちのために、小学校からその中学へ向って内申書を提出するその内容が問題になった。義務教育の延長である中学入学に内申書は不必要である上に、問題の眼目は実際に等級をつけて査定していない子供達の成績をどう申告するかということと、両親たちの経済能力を申告するという点が重大な波紋をまきおこした。