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こんにちのにほんのぶんかもんだい
今日の日本の文化問題
宮本 百合子
「思想と科学」臨時増刊号、1949(昭和24)年1月発行
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 81,154 字 · 161 页
市民社会を経てブルジョア文化を発展させた諸外国の言葉の使い方をもっては想像されないように男女の別と身分の別とが日本語の使用法、特に敬語の使い方に現われている。天皇の一家は彼らだけの間に理解されている名詞や動詞をもっていた。あらゆる家庭の中に主人に対する妻子の言葉遣い、召使の主人に対する言葉遣い、他人に対して自分に関することを話す場合の卑下の表現がある。会社や役所では上役から下役への表現があり、地主と小作の間には平等な言葉遣いが存在しない。
憲法が改正され民法が改正された。しかしまだまだ日本の生きた言葉はこの複雑な封建性から解放されるためにみじかくない時間を要するであろう。日本語の封建性は日本の人民の実質的な民主化の水準を示すものである。
今日の日本語は非常に混乱している。長い戦争中軍隊生活を強いられた人々の間にまだ軍隊口調が残っている。方言やなまりによって標準語が乱されている。これは子供たちが戦争中疎開してさまざまの地方で生活した結果である。戦争中極端に外国語をシャット・アウトした反動で、この頃の日本語の中へはさまざまな外国語や片言がなまっておりまぜられてきた。