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なかなかしなぬあいつ

仲々死なぬ彼奴

海野 十三

「探偵」駿南社、1931(昭和6)年7月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,216 字 · 18 页

青空文庫

それでは、毒草ストロファンツスを使うのはどうであろうか。これは研究所の標本室にあるのを覗いたことはあるが、こういう稀有な標本は、よろずインチキものが多い。もし死にはぐれたら大恥辱である。それでは――

(素晴らしい! それだ!)

と思うような方法を突然思いついたのであった。彼は、金属ソジウムが水に会うと劇しく爆発する性質のあるのを利用しようと思った。その金属ソジウムは中々高価な薬品なので、多量は手に入らないのが普通であるが、幸にも研究所へは先頃三十キログラムほど納入され唯今彼の許で試験をすることになっているから、これを持ち出して使えばよい。彼はその金属ソジウムを一度に爆発させるため、別に溜めて置いた水を一時にザブリと懸けようと思った。しかも直ぐ爆発するのは困るから、或る一定時間すると、自然に水槽の底が外れて、ザブリと金属ソジウムにかかるようにしたい、それには、砂時計の砂を水に代えたような仕掛けにし、水が少しずつ上部の容器から下部の容器に落ちて溜ってくる、するとこの下部の容器を水洗便所の水槽のようにし、或る水量の水が溜ったところで底が外れるようにし、更にその下の第三層に一ぱい詰めこんである金属ソジウムの函にこの水が一度に懸るようにすればよい。